丑の刻参りは不能犯 |
不能犯の意義−−行為者が、本来、犯罪の完成に至るべき危険性を含んでいない行為により 犯罪を実現しようとする場合。(ex.丑の刻参り) 不能犯は処罰の必要がなく、未遂犯にも ならない。 (理由) 不能犯は、犯罪を実現する危険性を欠いた行為である。 不能犯と未遂 犯の区別−−実質犯において、一般的に、結果発生の危険のない行為か否かにより区別される。 (定型説)
(理由) 刑法における構成要件的行為は、解釈上、構成要件的結果を発生す る一般的危険を含むことを要する。 # さらに、危険か否かの判断は、(未遂犯と不能犯の区別) a.行為の当時、行為者が特に認識していた事情 b.一般人が認識し得たであろう事情を基礎とし、 c.客観的見地から、
事後予測として犯罪が実現される危険性の有無を判断する。(具体的危険説)
(根拠) 1.構成要件理論を基礎とする立場。 2.構成要件的行為は、社会通念を基礎として定型化されている。 3.相当因果関係の折衷説と同様の思考態度
のもとに、行為者の認識とともに一般人の認識の可能性を基礎として判断し、その行為自体の社 会的な見地における危険性を適切に捉えようとする妥当な見解である。